弘山勉のブログ
<第2回> 『迷い』から脱する基本
投稿日: 2014年 10月 16日 木曜日
ブログ投稿の第1回目で「迷いの先」なる記事を書かせていただきました。
『迷い』と言っても、いろいろなケースがありますよね。
「進むべき道を見失う、または、迷う」「自分がどこに位置するのかわからない」「進むための方法の選択に迷う」「自己分析のツールや基準値に迷う」など。『迷い』を言い換えて、『悩み』でもいいでしょう。陸上競技選手やランナーの方々は、どうして迷う(悩む)のか?
何の理論を信じたらいいのかわからなかったり、スランプに嵌ったり、プラトーに陥ったり、壁にぶち当たったりするからだと思います。状況は人それぞれで、他にも色々とあるでしょう。前回書いた通り、複合だったり、連鎖だったり、と。
そんな時は、まずは基本に戻りましょう。応用や結果を求め過ぎると、基本を忘れがちになります。『基本にこそ神が宿る』と思っています。つまり、基本は普遍です。応用は、基本の延長線上にしか成り立たないと思っています。もちろん例外もあり、それが全てではありません。応用を実践することで、基本ができることもあるという認識は持っています。
ただ、通常は、「基本を実践しないで、レベルアップを図ろうとしても、それは無理」なことです。パフォーマンスを高めたいのであれば、まずは、基本を習得しましょう。基本と言っても、突き詰めるとキリがないくらい奥が深いです。激しいトレーニングではないですし、日常生活で実践してもらうこともあります。第1回目で書いた「迷いを楽しむ」という世界を体験できるはずです(笑)。
「今さら基本をやっても・・・」なんて思っている方、それは違います。
例えば、ランニングエコノミーという観点で言うと、理にかなった動きを身に付けるだけで、マラソンのタイムは大幅に縮まります。人によっては、苦しい練習をするよりも、簡単に記録が向上するかもしれません。
先日、我がアスリートLabのプライベートレッスンを受けた方が、先日、10キロのレースに出場し、自己記録を3分(42分→39分)も更新したそうです。その方は、手足のタイミングの取り方が非常に上手だったので、「フォームを改善するだけで、フルマラソン30~40分は短縮できますよ」と伝えました。
実際、動きの指導をしただけです。それで、上記のタイム短縮ができるわけです。
記録を向上するために、やみくもに練習量を増やしたり、質を高めようと頑張るだけが方法ではないことを知っていただきたいと思います。悪いフォームで、練習量や質を上げると、故障というリスクが増すことも覚えておいてください。
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