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弘山勉のブログ

動きの連動と調和「腰の動き」~骨盤(腰仙関節と寛骨)~その1

投稿日: 2017年 1月 31日 火曜日

人は、誰でも「歩く」「走る」「跳ぶ」「投げる」ことができます。見よう見真似で、その動作の技術を高めることもできるはずです。ミラーニューロンという言葉もありますからね。しかし、自己流で「速く走る」「高く跳ぶ」「遠くに投げる」など、そのパフォーマンスを向上させようとする場合、技術のチェックということがポイントになる気がします。

大抵、人は、足だけで走ったり跳んだり、腕だけで投げようとなりがちで、しかも、記録を伸ばすために、必要以上に力を入れてしまいます。そのために、過剰なストレスが身体の一部分(一箇所)に掛かっていき、スポーツ障害を発症するケースが多く見受けられます。

一言で言うと、「何かの原因による悪循環」が起こります。じゃあ「その原因を修正すればいいじゃないか」と単純に思うわけですが、そう簡単ではありません。その人に染み付いた身体の使い方の癖をリセットし、正常な動きを取り戻すのは、ほんとうに難しいことだと経験的に痛感しているからです。

これからの数回は、腰の動きについて書いていきますが、腰の動きを良くすることで、全身の連動の正常化が図れ、パフォーマンスは飛躍的に向上すると思います。

「連動と調和」という観点でこれから述べていきますので、まず最初に、腰を中心とした動きの好循環を生むヒントにしていただければと思います。

では、本題に入ります。今回は、腰部(骨盤)についてで、骨盤の動きに焦点を当ててみたいと思います。

「走りは腰の動きにかかっている」と言っても過言ではありません。走りのパワーの源は股関節ですから(他の種目も同じです)。しかし、腰をどう動かすかの意識をしている方が、中長距離選手の場合は少ないように感じます。

ランニングにおける力の発揮の大部分は、股関節であり、足関節でも膝関節ではありません。足と膝関節は“力発揮の支点”だと考えたほうが正しい解釈になりそうな気がしています。(それはなぜかを何回かに分けて説明していきます)

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ランニングにおける腰の役目は、骨盤(寛骨=腸骨含む)を動かして大腿骨を押し込むことが最大の役割(股関節の働き)だと思っています。

骨盤が動くことで、片方の脚で地面を押し、もう片方の脚を前に出すことができるわけですが、その際の動きのバランスや力配分の調整を担っています。

もちろん、骨盤があまり動かなくても地面は押せますし、脚を前に出すことだってできます。しかし、一歩で使う労力に差が生まれますし、本来の動きで関節を機能させないと骨や筋肉、腱・靭帯への負担は大きくなります。脚(足)腰の負担が増すのは言うまでもありません。トレーニングを厳しくするほどに、スポーツ障害を引き起こすこと必死です。

腰は、上半身の動きにも関与します。骨盤を正しく動かせない場合は、上半身のコントロールもあまり利かないと思います。私は、日本のマラソンの低迷(世界に取り残されつつある原因)は、ここかな、と何となく感じています。

だって、そうですよね。地面を押して胴体を前に出していく動作をするわけで、その際に同時に前に出るのは逆脚です。出した胴体を、その逆脚に乗り込ませてパワーを増幅するのですから、捻転動作が必要になるのは、わかりきったことです。

対角線(たすき掛け?)で動く身体パーツを仕切るのは、どう考えても腰になります。

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