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弘山勉のブログ

フォアフット走法の脚の曲げ伸ばしー必然の弊害と怪我のリスクー

投稿日: 2018年 11月 2日 金曜日

フォアフット走法

一言にフォアフットと言っても、ケースバイケースです。重心位置とセットで考える必要があります。スポーツ障害(怪我)リスクは高いと前置きしておきます。

まずは、重心が遅れていない場合(=怪我のリスクはやや小さいです)

脚(膝)を出して走れるですが、実は、意外や接地に向かって脚を伸ばしていきます。つまり、脚は外転(外旋)して、足関節は底屈していくことになります(前回で説明)。

脚を伸ばした状態で接地して、伸ばしたまま走ることができるのは、短距離走に限られるでしょう。長距離の場合は、そこから脚を曲げる動作をしなければなりません。

そこで何をするかというと、膝と足を内側に回内させて屈曲することで、力を発生させる源を作ります。分かりやすい表現を使うと、内側に脚を倒すような動きです。

足を内側に倒す(回内する)ので、地面を押しながら、足先が回転しながら外側に向く(振られる)ような動きになります。

この曲げ方は、実際は、主動&拮抗の筋肉を積極的に動かした屈曲ではないので、疑似屈曲という言葉を使いたくなります(この書き方は、専門家の人には怒られるかな=苦笑)。前回書いたように、脚全体が内旋運動をせずとも曲がるので、正常な屈曲ではないと言えます。言い切るつもりはなく、これも程度は人それぞれ。正常と疑似の中間くらいの人もいるでしょう。

実名を挙げるのは差し控えますが、この動きで走るトップアスリートは非常に多いと感じます。怪我しなければいいなあと思いながら見ていますが、徹底してアフターケアや事前の予防対策を施しておかないと、トレーニング負荷が高い場合、怪我は避けては通れないような気がします。ただ、トップアスリートは研ぎ澄まされたカラダで体重が軽いので、そう簡単には怪我しないかもしれませんが。

何故こうなるのか?

原因は、接地方法だけではありません。もちろん、接地の意識が先で、その結果として招く動作とも言えます。まあ、鶏と卵という順番の話でしかありません。

重心が遅れていないフォアフット走法の場合、足は接地に向かって脚が伸びて脚関節は底屈していきます。前回の脚の曲げ伸ばしで書いたように、脚は外旋しながら伸びていき、足は外転(外旋)状態で地面に着きます。


でも、多くの方の共通認識にあると思いますが、

「地面は母指球で押す」

足が底屈して外旋して地面に着くということは、小指側(外側)から着くはずです。なのに、地面を押すのは母指球。

以下のような指示を受けてないですか?
もしくは、本で読んでないですか?

フォアフットがいい(小指側接地)
母指球で地面を押せ(親指側加重)

ある意味、瞬時(同時)にはできない反するような指示(動作)になっています。肝心なのは、その結果。さて、どうなりますか?

前述の脚を内側に倒す(回内)させる動きが顕著(過剰)になるのは、容易に察しがつくと思いますが、説明すると、足を回内させて内側に倒して母指球で地面を押すしかありません。足が底屈した状況で母指球で地面を押す動作に移行するには、この方法しかないような気がします。


膝を倒してしまうので、不安定なので地面を捕らえて押すというより地面を蹴るような動作になると思います。その後は当然の成り行きとして、地面を蹴りながら足は外旋していきます。


この動きになる原因は、腰の動きにもあります。一つの例を挙げてみます。

フォアフットの場合、脚を伸ばして接地に向かうので、膝も股関節も伸展状態に近いかたちになります。そのために、腰を反って、骨盤を無理やり倒して股関節の屈曲を作ろうとする人がとても多い気がします。

腰(腰仙関節や骨盤)は動かなくなり、それに伴い、大腿骨の動きも非常に悪くなります。骨盤の動きが悪いので、大腿骨を後ろに押し込めないのです。大腿骨が後ろに運べないのですから、伸展動作がしにくくなりますよね。フォアフット走法の人の膝がすぐに折れ曲がるのは、そんな理由があります。

もちろん、それは足と膝を回内し、倒すようにするので、膝が早めに曲がっていき、そのまま動かすことになるという理由もあるかもしれません。

この動きは、下半身の負担を相当に大きくします。これも前回書いた脚(足)の正常な曲げ伸ばしにならないからです。筋肉が伸縮せずに、脚を無理矢理に回転させるようなものなので、腱や骨が捻じ曲げられ、伸ばされることになります。怪我のリスクは俄然大きくなるでしょう。

障害リスク箇所を下から並べると、中足骨や腓骨筋、アキレス腱、脛骨(シンスプリント)、膝関節、腸脛靭帯、股関節、恥骨、梨状筋などになります。怪我の宝庫になる危険性もありますから、該当する方は、動きの修正を早急に図ったほうがよいでしょう。

フォアフットの利点は、たくさんあります。ただ、全身の連動性を高めて、地面へのコンタクトと脚の曲げ伸ばしをどうするか?ここを考えていただくと、より高いパフォーマンスと怪我のリスク軽減に繋がります。そのヒントにしていただけたら幸いです。

今回は、ここまでとしますが、重心が遅れたフォアフットは、もっとリスキーです。それについては、次回ということで。では、また!

(この記事の前の説明)
自分のフォームと脚の曲げ伸ばし方の関係について知ることから始めよう!

 



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