弘山勉のブログ
フォアフット走法で重心が遅れると どうなる?
投稿日: 2018年 12月 17日 月曜日
前回に続いて、フォアフットの違うパターン(内旋・内転)を話題にしたいと思います。重心が遅れた場合に出現することが多いケースになります。
重心が遅れるフォアフット=普通に考えて「あり得ない」と思うかもしれませんが、このように走る方は、意外と多いですよ。遅いランナーを思い浮かべるかもしれませんが、競技者でも出現率は低くないと私は感じています。
前回は、足の外旋(外転)になりましたが、今回は、足の内旋(内転)です。
「つま先部分で接地して、且つ、重心が遅れている」としたら、どんな“かたち”になるかは、イメージしていただければわかると思います。「重心の高さの比較」でも良いかもしれません。比較の意味で典型的な2つのパターンを示しますが、同じフォアフットでも重心の位置で身体のかたち(使い方)は異なることがわかります。
では、接地点と重心の真下の距離を同じにした場合、どうなりますか?
2つの図を見ても、明らかに重心が遅れているように見えますが、実は、接地点と腰までの距離は意外にも同じなのです。それは、腰(重心)が遅れていることを、頭部と膝を前に出して接地点を身体の近くにして「(重心の)バランス補正」をしているからに他なりません。
ただし、この後、身体の運び方に大きな違いが生じます。
重心が下がっていない走りは、膝が必要以上に前に出ないので、つま先部分で身体を支えたとしても、テコの原理や起こし運動が使えるので、身体を持ち上げることができます。(ただし、前回示したような疑似屈曲をするケースが起こります)
フォアフットで重心が遅れると膝関節が必要以上に屈曲を強いられ、膝が前に出るなど膝関節が動きやすい(大抵の場合、膝が落ちていきます)ので、テコの原理や起こし運動が利用できず、身体を持ち上げることが困難になるのです。
「フォアフット&低重心の走り」の場合、膝が前に出て、さらに下がっていくわけですが、それは、膝関節を曲げる必要があるからです。理由は、腰(腰仙関節や骨盤)の動きの悪さにあります。それは、股関節の屈曲と伸展が上手く出来ないために、膝関節だけを曲げるような動作をしなければならないことに起因しています。
股関節が伸びたままで、膝だけを曲げるかのように走る方も時々見受けられます。「膝だけを曲げる??」=とても難しい動作ですが、それを可能にするのが、脚の内旋(内転)運動です。足関節(足首)は底屈しているので、外側に加重していることも手伝って、内旋動作ができやすくなっていると言えなくもありません。
脚(関節)の内旋動作は、脚を曲げるほうに作用するはずなので、実は、地面を押して脚を伸ばしているつもりが、脚の伸展は、あまり期待できません。前述の通り、身体は持ち上がらず、反対の骨盤も下がる連動になる(ことが多い)ので、さらに沈む込みこと必死です。脚を伸ばそうと思っても、しっかり伸ばせないのですから、頑張ってもせいぜい平行移動でしょうか。
今回、示したフォームは、膝関節が動きやすく筋肉が動き続けることが考えられ、しかも、過剰な沈み込みを抑制するために余分な労力を使うことになるはずです。筋肉を働かせ続けながら内側に捻っていくので、腰や骨盤、股関節が動かないほどに重度のスポーツ障害を発症しやすいと思ってください。
こんな難しい動きが癖になるのは、どんな経緯や理由があるのか。とても興味があります。
こうしてフォーム(動き)の解説をしていますが、問題は「どう修正するか?」になります。足袋型シューズ(裸足でも可)を利用した実例を挙げて説明してみます。↓↓↓
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