EVOLUランニングクラブ

山田里美のブログ

引退レース

投稿日: 2015年 1月 20日 火曜日

どんな選手にも一線を退く時が必ずやってきます。

先週末は以前同じ実業団チームに所属していた選手の引退レースに行ってきました。
高校を卒業して2007年に入社してきた選手でした。
6年間共に過ごした時間を懐かしく思いました。
全国高校駅伝で優勝、入社1年目から1500mで日本選手権で決勝に進出するなど、
スピードを兼ね揃えた選手でした。
芯が強く、自律した選手でもありました。

しかし、この数年は苦しい時期が続きました。
ポテンシャルも高く、自律した選手であり、苦しい中でもアスリートとしての
強い気持ちを切らさずに取り組んでいても、パフォ―マンス向上になかなか繋がらず、
歯車がかみ合わない時期が長く続きました。

アスリートは一瞬の喜びに辿りつくまで、その何倍もの試練や悔しさを乗り越えなければなりません。
何年も試練が続いても、一瞬の喜びに辿りつかないこともあります。

目標を達成できることは素晴らしいことですが、上のレベルにいけばいくほど、
それは一握りの選手です。
競技人生、上手くいかないことの方がほとんどです。

それでも、上手くいかない時に「強くなりたい気持ち」をどれだけ持ち続けることができるか。
目標に向けてどれだけ今を地道に努力することができるか。
目標に対する思いの強さや人間力が必要になってきます。

今回引退した選手は苦しい時期を見ている時間の方が長かったので、
上手くいかない、悔しい思いの中で「強くなりたい」という気持ちを持ち続け、
現実から逃げずに努力し続けることができる彼女の強さを沢山見てきました。

人間の積み重ねた心の強さは最後にちゃんと出るものなのだと実感しました。
引退レースでは、決して自分の思うように動く身体ではなかったと思いますが、
ラストはしっかりと力強く切り替え、スピードという自分の持ち味を活かせた
彼女らしい走りでした。
スタート前のルーティーンでもある腰のストレッチを見て、何だかとても懐かしかったです。笑

競技生活で培った強い人間力は今後の人生に必ず活きていくと思いますし、
彼女のこれからの人生を心から応援していきたいと思います。

本当にお疲れ様でした。
そして、彼女の走りからもらった沢山の感動に心から感謝したいと思います。

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