弘山勉のブログ

中長距離パフォーマンスUPのための能力分析と強化計画の考え方

投稿日: 2015年 3月 5日 木曜日

ランニングフォームや動きのことについてしばらく書いてきましたので、少し話題を変えたいと思います。

セオリーに基づいてトレーニングを積めば、必ず強くなる(パフォーマンスは上がる)と言います。そのセオリーって、何でしょう?

強くなる(速く走れるようになる)方程式という表現に置き換えてもいいかもしれません。A+B+Cのような『積み上げ型』、A×B×Cのような『相乗効果型』、A×B+Cのような組み合わせ型もありでしょう。

ここで指すAやB、Cは、もちろん、スピード練習やパワーアップ練習、持久力トレーニング、フォーム技術練習のことです。これらをどう組み合わせてトレーニングを処方していくかがとても重要です。

そのためには、各々が自分のパフォーマンス(走力=走破タイム)を分析することが必要となります。

例えば、マラソンのタイムが上がらない場合、「持久力がないんだよなあ」という人は多いです。でも、それって、ほんとうに持久力がないのでしょうか?スピードはあるし、スタミナもある、だけど、地面に力を伝えられない効率が悪い走りをしていたとしたら、マラソンのタイムは伸びません。

こういう方は、長距離のタイム=「スピード」+「スタミナ」-「フォーム」という表記にしてもいいのかもしれません。

逆説的な言い方もできます。長距離の場合は、故障なく筋肉や身体に持続力(持久力)を養成する必要がありますから、フォームが悪くて故障が多いと、練習が継続できなくなるので、必要な筋肉や身体を作ることはできませんから、走りのパフォーマンスが上がることはありません

いろんな意味でフォーム(動き)が重要となります。私が【基本シリーズ】でフォームのことを書いているのは、そんな理由からです。

では、ここから強化策の考え方について、私なりの見解を述べさせていただきます。

能力分析イメージ図_2

私は、中長距離ランナーの身体能力を表す指標は、大きく分けて、3つに分類できると考えます。これは、細く分類しようと思えばいくらでもできますから、大分類→小分類という整理の仕方が良いでしょう。

その大分類は、①スピード(スピード持続力)、②全身持久力、③力学的伝達力(フォーム・技術)です。

①の小分類は、筋肉量や筋力、酸素負債量(乳酸)、最大筋持久力など、スピードを出すことやその高いスピードをどれだけ持続できるかという筋肉に着目した能力

②の小分類は、酸素摂取量(赤血球数やヘモグロビン量)や換気量(呼吸量のようなもの)、酸素運搬能力、グリコーゲン貯蔵量、血中脂肪の利用能力などのエネルギー産生能力

③の小分類は、ランニングフォームに関わる関節可動域や身体角度、連動・協調性・タイミング、重心位置などで、所謂、推進力(進やすさ)という力を伝達して地面反力をもらう能力

イメージとしては図の通りで、目標とする距離によって「①と②と③の大分類と小分類の配合やバランスは変わる」のが普通です。ということは、小分類で挙げた能力の何を優先して高めていくのかを常に問い詰めて強化していく必要があります

走力の考え方は、このような感じが良いと私は思います。

さあ、大事なのは、ここからです。

目標とするタイム(走力)に必要な能力の総和を100とした場合に、現状の大分類の能力『①と②と③の和』がいくつなのか?これを割り出していくことから始めます。

能力分析イメージ図_1

さらに、①と②と③それぞれの能力を構成する小分類の能力を同じように割り出します。この作業は、アスリート向きになりますが、ランナーの方も、一度考えてみるといいと思います。あくまで、自己分析となりますので、正確な数値を求めるならば、科学測定を受けるしかありませんが・・・。(通常は、指導者が客観的な視点で評価します)

その分析作業をした後に、能力の総和を目標の100にするために「何から手をつけていく(強化していく)か」を考えることが求められます。なぜならば、全ての能力を一度に高めるトレーニングは、まず存在しないからです。だから、段階的強化や部分的強化をしなければならないのです。

私が3つに分類した①と②と③の能力は、速く長く走るには、どれも大切な能力です。それぞれの能力を高めるために、ぜひ強化プランを考えてみてください。

その方法として、1年をシーズンで分けて考えるのも一つの手です。

例えば、長距離種目で言うと、

晩冬はパワーアップ、春にスピード(トラック試合期)、夏にスピード持続力、秋は試合(実践)期、晩秋~冬は駅伝・マラソン(走り込み)

という具合に、狙った大会に向けて、必要な能力を「どういう順番で」もしくは「同時に」高めていけばよいかのシュミレーションがしやすくなります

陸上競技の世界でも、ランニングの世界でも、1年中、大会が開催されています。出場しようと思えば、いくらでも出場することができてしまいます。それでは、計画的なトレーニングを積んで、色々と必要とされる能力をそれぞれ高めることは難しくなると思います。

間もなく新年度になりますから、上記のことを念頭に入れて、計画的なトレーニングをスタートさせてみてはどうでしょう!各能力がパズルのピースだとしたときに、そのピースが綺麗にはまったときの気分は最高です。パズルが完成するときが、最大目標とする大会になるように、計画的にピースをうめていくのはきっと楽しいと思いますよ。チャレンジしてみてください。

EVOLU(エボーリュ)では、いよいよ4月から会員制ランニングクラブをスタートさせます(メンバーの方には、特典が多数)。とくに、スピード能力を高めたい、フォームを良くしたい方には、お勧めのクラブだと思います(自分で言うのも何ですが・・・笑)。