弘山勉のブログ
ランニングのパフォーマンス(走力)は腕振り次第!?
投稿日: 2015年 4月 27日 月曜日
走るために、腕を振るのは、どうしてでしょう?
ランニング動作をする際に、腕振りが非常に重要であることは、多くの方が分かっていらっしゃると思いますが、想像以上に奥深いようです。単なる腕振りなのですが・・・ね。
先日、筑波大学の中長距離コーチングスタッフ数名と、トレーニングについて話し合いをしていたとき、それぞれの感覚が違うことを知らされました!
具体的には、身体(腕振り)動作によって「意識できるところ」と「意識できないところ」が人それぞれであるということ。(これは千差万別ではなく、タイプ別ということでしょうが)
私が正しいと思っていた腕振りの理論が、一部の人にしか当てはまらないのではないかと気付かされました。う~ん、もっと勉強しないと・・・(笑)。
そのコーチ陣で、ああだ!こうだ!と言い合いながら、それぞれが、「へぇ~!」「そうなんだ!」という感じで、とても面白かったです。こういう時間は楽しいですね。
さて、前置きは終わりにして、本題に入ります。
ランニング動作にとっての腕振りが果たす役割は、いくつかあります。
① 上半身と下半身の連動(調和、協調)
② 力発揮のタイミング(強調)
③ 力の伝達
④ 力発揮のベクトル(方向性)
大きくは、上記の4つが挙げられると思います。
その他、重要なポイントを具体的に言うと、腕の使い方で、「関節の動き」「筋肉の動き」「軸作り(横ブレを防ぐ)」「重心位置を変える」「上下動」などを制御できます。
これを(腕振りが悪い場合)逆に言うと恐ろしいことに・・・。
「上半身と下半身がバラバラに動いて推進力が生まれない」「力発揮のタイミングがズレてスピードが出ない」「同じ筋肉ばかり使って疲れやすい」「上に飛ぶように走って進まない」「横ブレがヒドくて疲れる走り」「重心が後ろに下がって進みにくい」などなど、ネガティヴ表現のオンパレードになってしまいます。
という具合に、腕振りを改善するだけで、間違いなく速く走れるようになります!肩の力を抜いて、肩甲骨が動く腕振りを心掛けてほしいと思います。
さらには、腕振りの最中に、力発揮を強調するポイント(動作局面)を作るとタイミングがズレなくなります。このポイントは、人それぞれですから、何が良いとかは言えないと思います。なぜなら、理論的には、いくつかありますが、一連の身体動作を構成する要素が多種存在するので、何が正しいかを判断するのは、ひじょうに難しい、ということです。
スピード走能力養成について、以前に書いた通り、腕振り次第と言えなくもありません。EVOLUランニングクラブの練習会で、動きづくりを重視しているのは、こういった理由からです。
スピードが上がらないという方、この機会に是非、腕振りを見直してみてください!
きっと、良い変化が体感できるはずですよ!
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