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弘山勉のブログ

中長距離のパフォーマンスを上げる暑さ対策 ~その1~

投稿日: 2015年 6月 17日 水曜日

暑い季節がやってきました。夏は、水分補給が重要だと言われています。とくに、近年は、地球温暖化の影響で?夏は灼熱の気候と化しています。益々、熱中症対策の重要性が説かれ、「塩を摂りなさい」なんてアナウンスまでされるようになっています。

本格的な夏が来る前に、今回は、ランニングのパフォーマンスを向上させるための工夫について説明したいと思います。

ランニング時には、体温産生が活発化します。運動強度(走速度)が増すごとに体温上昇は著しくなっていくために、ランニングのスピードを上げると発汗量が増します。これは、皆さん経験的に知っていらっしゃることでしょう。

外的環境でいうと、気温が高いと当然、体温は下がりにくいですし、湿度が高いと汗が蒸発しにくいので、放熱作用が低下します。体温が下がらないために、カラダは発汗をどんどん促します。当然ながら、カラダの水分は失われていくことになります。

発汗のための水分が十分になくなると、体温は通常レベルを超えて、過熱状態となっていきます。高温・多湿の条件下での激しい運動が危険なのは、言うまでもありません。夏季は、「熱中症にならない」ことが何よりも重要です。

夏の熱中症対策として、下記の3つの工夫(ポイント)が挙げられると思います。

1.トレーニングメニューの工夫
2.服装の工夫
3.水分補給の工夫

今回は、1番目の「トレーニングメニューの工夫」について書きたいと思います。

①トレーニング中の休息

暑いからといって、運動強度を落としてばかりでは、パフォーマンスの低下を招きますから、夏季のトレーニングは、工夫が必要です。例えば、インターバルで言うと、休息を通常よりも長めにとり、本数を確保(または、増や)します。これが、体温の上昇を抑えながら実施できるトレーニング法の代表的な例となります。

インターバルと体温

この記事を書いている最中に、大学2年生の時に、5000mを1時間に1本、計8本走ったことを思い出しました。

確か、その日は、夏の酷暑環境下だったと記憶しています。雲一つない晴天で、「あぁ~あ」と唸りながら走っていましたね。5000mを16分前後で走っていたので、44分ほどの休息を経て、次の5000mに向かうというのを繰り返し実施しました。今思うと、練習メニューには、体温をしっかり下げる意図があったのでしょう。

しかし、10時に1本目がスタートして、8本目のスタートが17時でしたから、とても長い1日でした。今となっては、ほんとうに良い思い出です(笑)。

こうした、長い休息を挟んで練習を分割することで強度を確保できるのですが、必然的に練習時間が長くなります。ネックは、給食まで摂ることができないことです。前回、栄養の推奨理論で書いた「スポーツドリンクの選び方」を参考にしていただければわかりますが、トレーニング効果を高めるために、同時に「水分補給」と「エネルギーの貯蓄と代謝」を考えていくことが求められるのだと思います。

②ロングラン(長距離走トレーニング)

夏に走り込みを行うのは慣例的ですが、速度を落として体温の上昇を抑える代わりに、量を増やしてスタミナを強化しようとするものです。

そこで、ひと工夫!

ペースを落としたロング走では、短調な練習になり、動き(ランニングフォーム)の意識が薄れていきます。できるだけ、起伏地を走るようにするといいと思います。上り坂では、カラダの出力を高める必要があり、筋肉の動員数が増えます。筋力低下を防ぐ一助になるはずです。

また、上りでは体温が上昇しますが、その後に待ち受ける下り坂(上りがあれば、必ず下りがあるはずです)で、体温を低下させることができますから、±ゼロにすることができますね。エコノミックに走っていた動きをダイナミックな動きに切り換える効果を狙っても問題ないと言えます。

山道であれば、木陰も多くなりますから、走るコースも工夫しやすいと思います。

木陰の坂道


③坂道ダッシュ

トラック走路は、通常、日差しを遮るものがありませんから、走路の路面温度の上昇や照り返しの強さで、さらにカラダへの負担が増します。そんな時は、日陰の山林コースや山岳道路が、狙い目となります。

トラックでのスピード練習の代わりに、坂上りでスピード(パワー)アップ、緩い下り坂で、フォーム改善などを目的に行うといいでしょう。上った坂をゆっくりと下ってくれば、上昇した体温も下がりやすいですから。

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まだまだあるとは思いますが、代表的な夏季のトレーニングを例として挙げてみました。上記を読んでいただいてわかる通り、練習時間が長くなりますし、厳しい酷暑環境下では、身体機能はフル回転でカラダを守ろうと働くものです。他の季節とは大きく異なり、カラダの消耗度は、計り知れないほど大きくなることを自覚していただきたいと思います。

最後に、トレーニングの工夫だけでなく、栄養と回復にも気を配る必要があることを付け加えておきます。

④酷暑環境での練習でトレーニング効果を獲得するためには

スポーツドリンクは、もちろんですが、5大栄養素やビタミン・ミネラルの入った栄養ゼリーを練習後すぐに摂取することで、消耗したカラダを速やかに回復させることができます。暑い中を頑張って練習した分のトレーニング効果を獲得してほしいと思います。そんな想いを込めて、最後に、皆様に有益なデータを示しておきたいと思います。


 

栄養ゼリー試験結果


上記の図を見ていただければわかる通り、「どんなタイミングで」「何をするか?」でカラダは良くも悪くも常に変化するのです。トレーニング効果を得られるかどうかは、「自分次第です!」

皆さん、よく考えて、いろいろと工夫してみましょう!

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