山田里美のブログ
トレーニングの冬支度
投稿日: 2015年 11月 13日 金曜日
いつの間にか道端でたくさん落ち葉を見る季節になってしまいましたね。
駅伝やマラソンはシーズンに入りましたが、陸上競技のほとんどの種目は主に10月下旬でシーズン期を終え、11月は少し心身リフレッシュをして来シーズンに向けた冬季トレーニングを開始していきます。
まさにトレーニングの冬支度ですね。
シーズンに入ったら細かな修正作業や調子を維持することがメインになるので、それまでに冬季でどれだけ自分の身体を変えることができるか。冬季で来シーズンが決まるといっても過言ではないので、その冬季トレーニングをどのようなテーマを持って、どのように組み立てていくか、作戦を練ることはとても重要です。
料理で言えば、良い材料を使っても手順や入れるタイミングが悪ければ美味しくできないように、効果を出していくためにはテーマを明確にして強化し、強化したものが最終的に融合していけるように組み立てていかなければなりません。
そして・・・
現場ではシンプルに集中した強化をする
だからこそ、その裏側には内容と手順を緻密に考えた裏付けがあり、現場でやるべきことをシンプルに整理しておかなければなりません。
人間なので、選手の心と身体は理論に基づいた理想通り、計画通りにいかない場面がほとんどです。
ただし原因は必ずあって、随時、その反応を観ながら瞬時にトレーニングの修正作業をしていかなければならないので、やるべきことをシンプルにまとめておかないと選手はトレーニングに集中できず、コーチもコーチングに集中しきれません。
余談ですが、先日、ボルトの特集をビデオで観ました。その中でボルトのフォームをバイメカ視点で専門家がボルトに直接説明しようとしたところ、
ボルト:「難しいことはコーチに言ってくれ!それはコーチの仕事だ。」
と言っていたことが印象に残りました。
当たり前ですが、グランドでは選手は頭を複雑に使う場所ではありません。トレーニング自体に全精神と身体を集中させているため、頭を複雑に使う余裕はないと思います。
なので、現場ではシンプルにトレーニングとコーチングに集中できるように、冬季トレーニングの全体像を作る緻密な作業は、この時期にしっかりと行っておくことが大切だと思います。
実際にはこの緻密な作業はこの時期だけでなく、シーズン中から考えています。上記に述べたようにシーズン中は抜本的に大きく肉体改造をすることができないので、選手のパフォ―マンスを確認しながら「今年の冬季は〇〇をテーマの1つとして取り組もう」みたいな感じで、テーマの材料集めを密かにしています。シーズンが終わると、材料集めをしたテーマを整理して、今度は実際のトレーニング内容や組み立て方を考えていく感じです。
目標に向かってチャレンジしていくために、この時期だからこそ、ゆっくりとあれこれ考えていくことはワクワクする時間でもありますよね。
先日、国立スポーツ科学センター(JISS)にて、測定合宿に参加してきました。
体力測定ではその競技種目特性に合わせて、必要な体力要素を測定するので、これから始まる冬季トレーニングのテーマや内容を考える材料になっていきます。
そこには対自分(前回と比べてどの体力要素がどれくらい変化しているか、体力要素のバランスはどうか)、対目標(目標とするパフォ―マンスに近づくために、どの体力要素をどれくらい引き上げなければいけないのか)といった絶対評価をしながら、冬季トレーニング計画の材料にしていきます。
パフォ―マンス(記録)は様々な体力要素が融合した完結版なので、冬季トレーニングのように様々な体力要素を強化していく時期は、各体力要素ごとに1つ1つ分析していくとテーマが明確になりやすいと思います。
そういった意味で、この時期の体力測定はとても重要ですよね。
来年は4年に1度のオリンピックが開催される年です!
今の自分より強くなれるチャンスを楽しみながら、この冬の計画を作っていって欲しいと思います。
★最後に・・・
先日、同僚からこんなお届けものが・・・!
何気ない日常生活の中で感じる人の優しさや思いやりは、心が癒されますよね。
彼女のように、真の優しさや思いやりを持った人になっていきたいな・・・と改めて感じた瞬間でした。
いつもありがとう!という気持ちを持って、一緒に頑張っていきたいと思います。