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弘山勉のブログ

動きの連動と調和「腰の動き」~骨盤(腰仙関節と寛骨)~その3

投稿日: 2017年 1月 31日 火曜日

ここからは、具体的に説明していきます。

寛骨の動きは、前傾⇒立位⇒後傾と角度を変えて動くことで、力を貯めて大きなパワーを大腿骨や上半身に伝えることを可能にしています。走動作の局面で区切ると

① 前足が接地=前傾・挙上
② 脚の切替=立位
③ 脚で地面を押す=後傾・下降

という感じになります。骨盤の動きで上記のように寛骨の角度を変えられるかどうかが重要です。

img_20170131_3

挙上と下降と敢えて書きましたが、ここに動きのヒントがあります。

支持脚(軸脚)にしっかりと乗って地面を押すと、寛骨は位置を下げながら後傾していきます。遊脚(浮いている脚)側の寛骨は、接地に向かって挙上しながら前傾位に角度を変えていきます。

こう書くと理解していただけるでしょうか。仙腸関節があまり動かないというところにもヒントがあり、仙骨が三次元でどう動くかが見えてくるというものです。同時に、この仙骨の動きを出すためには、支持脚にしっかりと乗ることがとても重要であることがわかります。

連動と調和という意味で寛骨の動きを整理すると
(わかりやすく左右で記します)

<左>              <右>
前足が接地=前傾位・挙上    地面を押す=後傾位・下降
脚の切替=立位・並行      脚の切替=立位・並行
地面を押す=後傾位・下降    前足が接地=前傾位・挙上

上記のように左右の股関節で、屈曲と伸展が対となって同時に進行しています。

両脚の切替(揃う)時に大きな力が発生します。つまり、対となる動きの連動と調和、タイミングがとても重要となってきます。

脚を前に出して寛骨を挙上させ前傾させることでも腰仙関節は動きますから、骨盤の正しい動きは出せると思います。しかし、脚を前に出す動作は、空中で営まれますので、腰仙関節を介した力の伝達という意味では少しトーンダウンする気がしています。

上からの乗り込み動作によって一瞬で反力を得る短距離種目の場合は、接地する時点でほぼ切り替え終了間際だと思いますので、脚を前に振り出す意識で良いのかもしれません。

ただ、長距離は、地面を押しながら骨盤の動きを出していくので、地面を押すほうの意識で寛骨の対の動きを出していったほうが良いと私は思います。まあ、この点は好みになるのかもしれませんが・・・。

世間一般では、足を前に出す意識で走っている方がとても多いと感じています。支持脚でしっかり身体を支えることよりも足を前に出してピッチを速めることを優先しているので、骨盤の動きが悪いです。ピッチを速めようとすると身体全体に力が入ります。ますます腰の動きが悪くなっていくという悪循環に陥ってしまいます。

支持脚にしっかり乗って地面を押すことで、骨盤の正しい動きが出せると逆脚は前に出しやすくなり、余分な力を使わなくて済みます。当然、ストライドも伸びます。

仙骨を起点とした骨盤の動きをマスターすることで、全身の連動と調和がなされる可能性が高まるということを考えてほしいと思います。

以上が、腰の動きの中で、骨盤(腰仙関節と寛骨)にクローズアップした内容です。言葉で表すのは難しいですね。

次回のイベントレッスンのテーマが「股関節の使い方でストライドを伸ばす」となっています。これらの動きに詳しい近野コーチと山田コーチが、実践の中で詳しく解説しながらレッスンを行いますので、よかったらご参加ください。

★2/11(土)開催『【マラソン直前対策】股関節の使い方でストライドを伸ばす!』
http://athlete.evolu.co.jp/wp/events/20170211

今回はここまでとしますが、腰関連で、まだまだ続けていきます。

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