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弘山勉のブログ

ランニング動作の起点は股関節 ~その3~ 股関節の屈曲と伸展

投稿日: 2018年 1月 15日 月曜日

股関節を屈伸させるポイントは、

・筋肉の力加減をコントロールし、足と膝の位置を必要以上に動かさず、骨を動かし、膝関節と股関節の角度変化させて、どのような関節モーメントを作り出すか?

・テコの原理をどのくらい使えるか?

上記が下半身でいうランニングのテクニック(力学)になります。単に「曲げる・伸ばす」だけではなく、骨の角度も重要になってきます。

足関節(足首)は作用点に近いので、股関節と膝関節が伸展する下半身の伸展動作の終わりの局面で伸展させることをおススメします。

この下半身の骨(関節はあくまで支点)をテコの原理で動かす始発点となる股関節が最も重要だと思うわけですが、股関節の屈曲を作り出す技術はとても難しい動作になります。接地に向かっては、仙骨を後傾させるように上体を立たせて骨盤を前傾させて脚(膝)を前に出しやすくします。これは、股関節屈曲の主動筋である腸腰筋の働き(当然、拮抗筋の大臀筋の弛緩)によるものです。

ただ、沈み込んでいく過程で骨盤の屈曲を深くさせるために、上体を上から乗り込ませて圧縮して潰すような動き(屈曲)になるように思っています。膝関節は、その圧縮(圧迫)に抵抗するように耐えることが求められます。

この時、仙骨が前傾するような動きになる場合があるかもしれませんが、これは疑似前傾で、実際は角度を変えていないか、骨盤の前傾が強くなるので、骨盤との位置関係では後傾と言って気がしています。

こうして骨盤を前傾して溜め込んだエネルギーを一気に爆発させるように股関節を伸展させ、この時にテコの原理を利用して大腿骨に大きな力を伝えるのです。

沈み込んでいく過程で、支持脚と遊脚がともに屈曲状態になりますから、左右の骨盤が前方に対して水平に揃う“沈み込む局面”では、遊脚の畳み込みが股関節の深い屈曲に重要な働きをすることがわかると思います。

少し整理すると、「股関節の屈曲→伸展」⇒「膝関節の屈曲→伸展」⇒「足関節の屈曲→伸展」という力の伝達をテコの原理を利用して上手くできるかがポイントになります。これは関節の屈曲伸展で推進力を生みだす場合の話です。これ以外に、乗り込み動作や起こし運動のテクニックが加わりますから、股関節が走動作に貢献する割合は変わります。

つまり、股関節がどのくらいの役割を担うかは、総合的な判断になるでしょうが、屈伸度合いの大小の違いはあれ、下半身の起点となる股関節のテコの原理をしっかり利用できるようにすることがランニングのパフォーマンスを高める上では、とても重要です。また、力伝達の各支点となる関節は、ある局面で止めないとテコの原理を使いにくいことも理解してください。総合的なバランスや圧に抗う筋力が必要なのは言うまでもありません。

久しぶりの投稿になりましたので、今まで書いたことも重複しているかもしれませんが、走りの起点となる股関節の働き(動き)について書いてみました。

今後は、ここから膨らませて、他の部位の働きや動きについて、書いていきたいと思います。

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