弘山勉のブログ
接地タイプで違う“その先の動き”~物理の恩恵~
投稿日: 2018年 2月 8日 木曜日
前回、股関節(腰)の動きが、ランニング(走動作)の起点になると書きました。その話を徐々に膨らませていこうと思っていますが、その前に、少し基本的なことを書いておきたいと思います。腰の動きを出すにしても、それが可能なフォーム(接地タイプ)とそうでないフォームがあるからです。
ここ数年、クリールの『フォーム改善ラボ』というのを担当していて、連続写真からフォーム分析と解説をしています。写真ですから、当然、動きがないので、これが、けっこう難解で大変な作業なのです。私自身のスキルアップにも繋がりますし、世のランナーに、どんなタイプが多いかがよく分かるので、私も勉強になっています。
そんなことで、多くの方のランニング写真を見る機会が多いわけですが、「ヒールストライク走法が本当に多いんだなあ」と感じます。それが良いとか悪いとかの話ではなく、接地の仕方(タイプ)で、(ある程度)動きが決まってきます。つまり、必ずそうなる“その先の動き”の特徴があるわけで、その原理がわかっていないと、修正するポイントをお伝えしても、改善することは、なかなか難しくなるということです。
前回、下記の図を示し、さらっと書きましたが、今回、もう少し詳しく書いておきたいと思います。
まず、前回書いた主な3つの動作の説明から。
<関節の屈伸動作>
接地点と重心を結びラインに対して、各関節の屈曲が深くなると関節モーメントが大きくなり、テコの原理を利用できると大きなパワーを生み出すことができます。ただし、ランニングの場合、屈曲の度合いが大き過ぎるのは良くありません。
<乗り込み動作>
文字通り、上からカラダを乗り込ませる動作です。重心が高いほど、位置エネルギーが大きくなるので、乗り込み動作で生み出すパワーは大きくなります。
その際の注意点は、以前に書いたページを参照してください。
http://athlete.evolu.co.jp/wp/3459
<起こし動作>
聞きなれない言葉かもしれませんが、私も正式名称は知りません(笑)。棒を持って小川を飛び越えようとするような動作です。棒が脚(下腿)だと思っていただければけっこうです。
では、これらの動作をもとに、接地のタイプで分類して解説します(接地で分けるのは、あまり好きではないですが)。タイプによって、利用できる物理的な恩恵に差が出てくるということを言いたいわけですが、イメージできますかね?
では、ヒールストライク走法から解説していきます。
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