弘山勉のブログ

接地タイプで違う“その先の動き”~ヒールストライク走法~

投稿日: 2018年 2月 8日 木曜日

まず、最初に最も多い「ヒールストライク走法」から解説します。最初に言っておきますが、速く走ることは難しいです。理由を書くと以下のようになるでしょうか。

踵から接地するタイプですから、大抵は、脚を伸ばして、足部を膝よりも前に出すことになります。その結果どうなるか?というと、膝関節が伸びているので、下半身の構造上、股関節の屈曲が浅くなります。つまり、骨盤は後傾した状態で脚が前に出ます。

なので、接地した後に、下半身の関節を曲げることになりますが、これら一連の動作の流れで、ここから骨盤を前傾することは至難の業だと思います。そのために、股関節を屈曲させるために、何をするかと言うと、「思い切り脚を前に出す」もしくは「重心を下げながら膝と股関節を屈曲させる」または「腰を後ろ突き出し、上体を前傾させて、(疑似)屈曲を作る」ことになります。

上記の3つのパターンいづれもが、骨盤の動きで股関節の屈曲と伸展をするのではないで、上からの乗り込み動作も難しいでしょう。ですから、股関節のテコの原理は期待できません。大腿骨を強く押し込むことができにくいので、大腿骨の動きが小さいのは言うまでもありません。沈み込みを抑えれば、起こし運動は利用できる可能性はありますが、重心が遅れがちなので、やっぱり難しいと言っておきます。

ヒールストライクで骨盤の前傾は不可能なのか、というとそういうわけではありません。膝や股関節を屈曲して踵から接地するためには、重心をかなり下げた状態で接地すれば、可能になります。

思い浮かべていただければわかるはずですが、腰の位置がかなり後方になり、重心の低さも手伝って、相当に苦しい走りになります。重心を下げたヒールストライク走法で速く走るためには、当然ですが、かなりの筋力が必要で、脚の負担も大きくなります。ハムストリングを痛めるのが容易に想像できます。筋力のない方は、股関節の位置が動いて、力を逃がしてしまうようなフォームになると考えられます。

まとめると、

・接地後に重心を下げるか、最初から重心が低いかのどちらかになるので、乗り込み動作は厳しくなる

・上記と同じ理由で、起こし動作も難しい(が不可能ではない)

・関節の屈伸動作においても、「重心を下げながら」もしくは「最初から重心を下げて」屈曲させるので、関節モーメントは大きくなるが、股関節の貢献度は小さく、テコの原理を利用することは難しい(重心を引き上げると脚が棒のようになるので、益々難しい)

これらの理由から(他にもありますが・・・)、ヒールストライク走法で速いランナーはあまり見かけません。速いアスリートやランナーがいないわけではないので、少し言い過ぎかもしれませんが、お許しください(苦笑)。

でも、利点はあります。

踵から着いて、重心を移動していくので、身体を運ぶのに、時間をかけることができます。よって、脚筋の負担が減ります。衝撃は小さくなります(衝撃を緩衝する動きをするので)。怪我のリスクは大きくないように思いますが、沈み込みが大きくなったり、関節の角度が変わりやすいので、意外と故障のリスクは高いと思います。

次回は、同じような観点で、フォアフットやミッドフット走法について、解説したいと思います。