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弘山勉のブログ

ミッドフット走法が最も優れてる!?~その理由②~強み

投稿日: 2018年 3月 1日 木曜日

フォアフットに続き、荷重と加重という観点で、ミッドフット走法について、考えていきたいと思います。

仮に、接地区間において、地面に足がフラットに着いたまま走るとします。ベタ足で走ると言えばよいでしょうか。それでも、足裏への荷重が均等に分布するわけではありません。おそらく、荷重→動荷重→加重それぞれの局面で、踵周辺の荷重から母指球あたりへ圧がかかる位置が移動していくはずです。抜き足走法なら可能!?=いや、無理でしょうね。

フォアフットの場合と同様、接地区間を「接地=荷重」「沈み込み=動荷重」「地面を押す=加重」という分け方をして、ミッドフットでのケースを考えてみましょう。

ミッドフットと言っても、完全にフラットで、踵が着いているということは考えにくいと思います。では、「踵が浮いていればフォアフットに分類されるのか?」というと、私は、そういう分類ではない気がします。説明は難しいところですが、判断の分かれ目は、地面への(ファースト)コンタクトにあると考えます。

・足部が底屈して接地する=フォアフット

・足部が背屈からフラット(やや背屈)に変位して接地する=ミッドフット

ですから、ミッドフットの概念としては、踵が少し浮いていても、

・荷重~動荷重の場面で、足部が底屈していないこと

・加重の最終局面(地面を押して足が離れる手前)まで足部が底屈していない

を条件にミッドフットに分類するという考えは、あながち間違いではないと思います。

それは、ミッドフット走法では、足は背屈ぎみになるので、動荷重の場面に入る局面からは脛骨が前傾している場合がほとんどで、踵が少し浮くのは自然なことだからです。(重心を下げたベタ足走法以外)

※下図の長距離選手(青)を参照ください

ミッドフットの強みは、実は、ここにあります。

足部の底屈動作(足首を伸ばす動作)に移行するのが、足が地面から離れる頃になります。つまり、脛骨の角度が程良い前傾位から変わりにくく、動作の大事な支点となる膝関節の位置も動きにくいので、テコの原理が使いやすい(膝から下が動かない)ランニングフォームなのです。

もっと言うと、

・股関節の屈伸動作によるテコの原理で大腿骨に大きな力を加えることができ(理にかなった動きができる場合)

・膝関節の屈伸動作によるテコの原理で、下腿に縦方向への大きな力を加える(押し込む)ことができる

・股関節と膝関節の両方(テコの原理×2)で、力が増幅される

という可能性があります。どうです?
速く走れそうな気がしますよね。

ただ、このような強みを活かせない方がほとんどです。動荷重の途中から、または、加重区間に入ってすぐに足関節の底屈動作(足首を使って伸ばす動作)に移ってしまうケースがとても多いと思います。

試していただくとわかりますが、接地区間の早い段階で足の底屈(足首を伸ばす)動作をすると、身体を持ち上げるような方向に力が向かってしまいます。下半身の動きの支点が一気に不安定になり、テコの原理が使いにくく、腰の動きも止まるという悪影響しか待っていません。

つまりは、ミッドフットで接地しながら、フォアフットの動きに移行するパターンになります。このパターンで走る方は、かなり多いと感じています。

他にも、「重心が低い」「重心が後ろに位置している」など悪いパターンはありえなくはないですが、大抵はヒールストライクになるので、その説明は省かせていただきます。

「接地タイプによって、その先の動きは決まってくる」と言ってきましたが、ミッドフットは、理想的な動きと少しのズレで惜しい動きになってしまうと言っておきます。

ここまで書きましたので、次の機会に、一流選手の速さの秘訣に迫ってみたいと思います。

 



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